武産合氣業

合氣道開祖植芝盛平翁守護神の速武産の大神。その御はたらきの現れを天の叢雲九鬼さむはら龍王大神とよぶ。
さむはらとは、宇宙森羅万象の氣をととのえて、世のゆがみを正道にもどすことをいう。

「武は戈を止めしむる意であり 破壊殺傷は真の武に非ず 真の武は破邪顕正の道」
大日本宣揚会趣意書より

合気の極意「体の上に礼をのせること
盛平翁 

一、心
二、肉体
三、言語

相手も自分も傷つけない勝速日

悪を悪として切らず、善に導く思想

自己を磨き、人間は人間として与えられた使命を果たしてゆけばよい

謙虚な気持ちを忘れるでない


次に記す内容は、茨城道場時代の筆者の体験、剣杖体術の理合一巻〜五巻、武産合気道一巻〜五巻(別冊含)、開祖直伝岩間の合気道映像、合気剣特別講座映像、合気杖特別講座映像、合気武道映像、斉藤守弘師範1974年壮年期映像、合気ニュース(書籍)、秘伝(書籍)、武産合気(書籍)、ユーチューブの翁先生・吉祥丸先生・守弘先生の映像、先輩達の言葉に基づいて記載しています。


三種の技法
 固体技法(がっちり掴まれた状態から捌く)(固い稽古と呼ばれる)
 柔体技法(離れた間合いから、相手に取らせながら捌く)
 流体技法(離れた間合いから、互いの体の氣を結び、相手に取らせないで捌く)

二・八−十なり、四・六−十なり、五・五−十なり(口伝)(相手が浅く進めば深く入り、深く進めば浅く入る間合いの意)


稽古上の注意
 礼儀を守ること
 受け身をとれるように投げること
  ※技は厳しく、投げは優しく
 技は正確に行うこと
 迷ったら基本に戻ること
 物を大切にすること

 ※頑張り稽古の禁止(道場の壁にあった)
 
※氣の流れの稽古は三段以上

稽古の種類
 見取り稽古
 一人稽古
 普通稽古
 掛り稽古
 自由稽古
 行事稽古
 合宿稽古
 合同稽古

立ち方
 半身、一重身(裏三角)、喧嘩腰

掴み方
 片手取り 相手の手首が動くように掴む(手首を掴まれた場合、諸手の呼吸第五法や腰投げなどへ代わる)
 諸手取り 相手の肘を少し極め、反対の手でビンタされないように両手で掴む
 肩取り  相手の肩を掴む
 胸取り  相手の胸を掴む
 袖口取り 相手の袖口の中に四指を入れて親指は外からしっかり掴む
 袖取り  相手の袖(肘部)を掴む
 後片手衿取り
 後両肩取り
 後両手取り
 後胸片手取り
 後腰抱き付き
 指取り 四指を掴む

打ち
 正面打ち1(顔正面を打つ)(我より技を掛ける) 相手の顔面を手刀で打つ
 正面打ち2(振り上げる)(技を掛けられる側) 相手の頭を手刀で打つ
 横面打ち 相手のこめかみを手刀で打つ
 突き 相手の鳩尾を狙い縦拳で突く(正拳突きも認められているが、初心者は縦拳突き)
 
受け
 技や関節が極まる前に、受け身を実行する(タップ、力を抜く、受けやすい位置に動く、自ら跳んで怪我を防ぐなど)
 相手に技を覚えさせる為に、技中に逃げることの禁止
 足を動かさず極められた状態で堪えることは認められる。

武器種類
 合氣剣(木剣)
 合氣杖
 合氣短刀(短剣)
 合氣槍
 合氣銃剣
 合氣手裏剣(茨城道場では当時手裏剣道場が開催されていた:棒型手裏剣を使用。合気手裏剣は根岸流の流れを汲む。合気手裏剣と根岸流の違いは、三点保持法で手裏剣を持ち、両腕を真横に広げ掌底先行の動作は似ているが、根岸流は後ろに一歩下がって身を沈まずに投擲するのに対し、合気手裏剣は、左足を出し少し身を沈めながら投擲する。守弘先生は卍の型と読んでいた(仲田茂美氏談)。背中に壁を想定して前に出る形になった(對比地輝男氏談)

座技呼吸法
 1.両手を側面(横)から掴まれる(終末動作)
     指先を開き肩の力を抜き、両腕を肩巾よりやや広めにし、剣の握りを左右二手に分け、剣を振りかぶる気持ちで両手をあげ(大きなボールを側面を迫り上げるイメージ)、相手を崩し、片方の手刀は低く斬り落とし、片方の手刀は相手の肩口(首が本来)に横面のように斬り入り(手を離された時にも対応する)、相手を倒した後は、片方の手刀は相手の胸の少し上へのばして、押しつけずに起き上がろうとする相手を制する。(相手が倒れるときに引き込まれないように気を張って倒していく)(制した相手が倒れた後、腕の外側から拳を出されても気を張って受けられる状態を保つ)(相手の手が離れたら肘を制する体制に入る:剣杖体術の理合い5巻p12下写真参考)
 2.両手を
下から掴まれる
 3.両手を
上から掴まれる
 4.
強く掴まれる
 5.両
膝に押しつけられる(肘、頭の順)
 6.
胸を掴まれる(片手)
 7.
肩を掴まれる
 8.両衿締め

 9.両肘関節を抑え込まれる
 10.両手をくっつけて掴まれる(△審議)
 11.手首を持たれる 
 12.座技その他
  呼吸〜顎投げ
  呼吸〜二教(拝み突き:大東流の技に類似)
  四教(我より手首を掴む

    四教(手前に引く) 

※残心二秒
※剣の振りかぶる気持ちを両手におきかえる。
※呼吸とは、剣を振り上げ始める手首の動き(螺旋の捻り)を云う
   直会の席などで、コップのお酒を飲む時の動きも呼吸と呼ばれた


一教(表・裏)(肘を極める)
 1.
正面打ち
 2.
横面打ち
 3.
片手取り
 4.
両手取り
 5.
諸手取り
 6.
交差取り
 7.
袖口取り
 8.
袖取り
 9.
肩取り
 10.
両肩取り
 11.
胸取り
 12.
突き
 13.
後片手襟取り
 14.
後両肩取り
 15.
後両手取り
 16.
後胸片手取り(△審議)
 ※最後は相手の腕を90度にし、膝を脇の下に入れ、相手の肩関節を腕と膝で伸ばすように腕を制す
 ※一教表:大地から湧きあがるように。大波の如く進む。
  一教裏:大波の如く開く。

二教(手首を内側へ曲げて極める)
 ※表は汽車汽車シュッポシュッポ(△審議)
 ※袖口取り及び袖取り二教裏は、肘を立てて極める

三教(手首を反らして極める)
 正面打ち三教表は、当身で入った後、相手の腕に対して、両腕は一教表の反対側の位置になっている。船漕ぎ技もここで追加できる。

四教(手首を圧迫して極める)
 ※骨部圧迫と脈部圧迫がある
 ※四教は、痛めつけるのではなく、相手が動けなければ技は成立している。
 ※四教は、非力な人用でもできる形がある。
  ※盛平翁の四教映像は、曲げた相手の腕の上に膝を乗せている。

五教(裏) 
 1.正面打ち
 2.横面打ち
 3.短刀取り(横面)
 4.短刀取り(突き)
 ※五教表は理に問題がある為、封印されました。

六教
 1.正面打ち(下から取る)
 2.横面打ち
 3.胸取り
 4.突き(転がす)
 5.突き(上から)
 6.後両手取り
 7.交差取り
 8.諸手取り
 9.杖取り
 10.太刀取り

回転投げ
 1.片手取り内
 2.片手取り外
 3.両手取り内
 4.両手取り外
 5.正面打ち(二種)
 6.突き
 7.半身半立(片手取り内)
 8.半身半立(片手取り外)
  9.袖口取り内
 10.袖口取り外
 11.回転投げ〜三教変形(巻き込む型)
 ※口伝:三角に入れ

岩石落とし
 1.正面打ち
 2.横面打ち
 3.突き
 4.我より交差取りで掴む

四方投げ
 ※足が着いたら素早く回ること
 ※相手が崩れるまでは頭に着けること
 ※裏 後ろの敵を斬り払う こと。帯を斬るように。
  ※稲を植えるように


呼吸投げ
 ※1 体の変向は奥意(剣杖体術の理合い第1巻p.61〜に剣を使った理あり)
 ※2 諸手取り呼吸投げの投げる部分は、剣を振りかぶり下ろす動作のため、腰を回して斬るようにする(對比地輝男氏談)
 ※3 諸手取り呼吸投げのポイントは、相手の腰を持上げる位置に入る(映像あり)、相手が下がれないように入る(映像あり)
 ※4 諸手取り呼吸投げの投げの動作時、自分のお腹に乗るようにと守弘先生は仰った(磯部將明氏談)

 ※5 諸手取り呼吸投げ基本は三角に入る
 ※6 諸手取り呼吸投げは、第一法、第二法:捻り、第三法:上げられた時、第四法:下げられた時、第五法:手首を持たれた時 がある
 ※7 守弘先生は、体の変向で相手に強く持たれても、手をプラプラさせながら力ではない理を表現した
 ※8 守弘先生は、諸手で持たれても頭を掻いて力ではない理を表現した

小手返し(別名 木の葉返し)
  ※相手の手の指と同じように重ね合わせて握りこむように投げる(片手取り、両手取り小手返しを除く)

腰投げ
 諸手取り腰投げ一〜五

 足は片足を伸ばす姿勢、両足を揃える姿勢、両足を肩幅程度に広げる姿勢がある。

 ※諸手取り腰投げは第一から第五まである
 ※どんなに体重差があっても腰投げは相手を投げられる
 ※相手と腰板が十字になるようにする。そうでない場合もある。

 ※投げる際は、指先を見るようにし、投げた後は残心ではなく移動姿勢となる


後技
 ※後両手取り四方投げは強く持たれたらできない技

太刀取り

杖取り

齊藤守弘先生曰く
 腰投げ 25種以上
 二教 10種以上
 合氣道全部の技を稽古するのに23年かかる

自由技
 1.二人掛け(徒手二人)(徒手一人、武器一人)
 2.三人掛け(徒手二人、武器一人)(徒手一人、武器二人)
 3.四人掛け(徒手四人)(徒手一人、武器三人)
  武器複数の場合、基本は太刀を最初に捌くこと
 4.六人掛け
  徒手(正面打ち六人、一人後胸片手取り他五人、一人両手取り他五人、一人両肩取り他五人、一人後両手取り他五人、一人片手取り回転投げ他五人、一人胸取り呼吸投げ他五人)
  武器(多人数武器、多人数太刀取り、多人数杖取り、
 5.多人数に掴まれ脱出(右手、左手、正面、後ろ、腰、右足、左足に各一人ずつ、どこを掴んでもよいが、腰以外は道着を掴む)(外すのみ)
   多人数にがっちり掴まれて動きができない場合、最初に〇〇してから〇〇する
 6.短刀乱取り(自由稽古のみ)
  7.目隠し乱取り(2人以上で基本徒手で掴むのみ)←ビンツ先輩の演武より
※多人数でバラバラに打ち込んでくる場合、最初に投げた人の方へ投げる。
※多人数で同時に打ち込んできた場合、輪の外に出て、輪の中へ相手を投げ入れていく。


両足払い(呼吸投げの部類)
 1.両肩取り(両腕を外側面に捻じる呼吸で入る)〜相手の足の甲に鬼拳〜両足を持ち払う
 2.両手を上げる呼吸〜両足払い
 3.諸手取り呼吸〜両足払い

片足払い(応用変化技)
 両足払い時、片足しか取れなかった場合、高く上げて相手の足を払う

十字投げ(綾取り、十字絡み)
 1.胸取り@、A
 2.後両手取り
 3.後胸片手取り
 4.後胸片手取り(@三教にとってから、A三教から抱え込んで)
 5.横面打ち
 5.正面打ち(正面打ち時の反対の手の当身はお腹ではなく顔)
  6.肩取り(四方投げで入れなかった時に発動)
  7.後ろ両肩取り
 8.肩取り 片手は正面打ち、反対の手は当身で入り、取られている相手の手を引き抜いて十字にして投げる △審議(映像か書籍を確認中)

二人取り
 1.片手に諸手二人
 2.片手に一人ずつ諸手(肘出しと返し)(両肘出し前方同時投げ)(一人前方投げ、一人入り身投げ)
 3.片手に一人ずつ諸手(引かれた場合)(引かれた力を利用して、もう一人を呼び込み呼吸投げ)
 4.後ろ胸片手一人、片手諸手一人
 5.二人に諸手で持ち上げられた場合(自ら後ろに倒れる−脱力の理)
 6.二人に諸手で持ち上げられた場合(前に両手を着く)
 7.四方投げ(一人諸手、一人両手)(氣の流れは別)
 8.片手に一人ずつ肩手首(腕を片方ずつ)
 9.後胸片手一人、両衿締め一人、
 ※両衿締め(両衿を持ち、片方は深く頸動脈に拳裏をあて締め落とす)(女性に対しては衿を揃え縦に持つ)

三人取り
 片手に諸手一人ずつ、後両肩一人

四人取り
 片手に諸手二人ずつ


その他
胸を捩じりあげる(呼吸投げ及び顎投げ)
胸を捩じりあげる(二教)
後衿取り片手取り(入り身投げ)
後衿取り捩じりあげられる(万歳して入り身投げ)
背後両腕の上から抱きつかれた 半身で両腕を螺旋に内転させ潜るように呼吸で外す
羽交い絞め 半身で両腕を螺旋に内転させ呼吸で相手のロックを外す(外しながら三教取りあり)
後ろからお腹に抱き着く(組まれた手の甲を鬼拳〜小手返し)

武器技
 ※技はゆっくり行うこと(体術と同じ)
 ※技と技の間は、カッツンカッツン二つ数えてから動くこと(残心2秒)
 ※素振り二年、打ち太刀十年(剣杖体術の理合二巻)

剣素振り 七本
 一の素振り(剣を振り下ろす際、両手の小指から順に絞ること)
 二の素振り(剣を振り上げる際、三角窓を作る)
 三の素振り(宇宙の氣を剣尖から吸い取る)(邪気を払い場を清める技)(祝席有)
 四の素振り
 五の素振り(合氣剣にとって重要な技)
 六の素振り
 七の素振り

前後斬り、四方斬り、八方斬り

右の合わせ(水平までと面打ち)
左の合わせ
五の合わせ
六の合わせ
七の合わせ

組太刀 五本
 一の組太刀型(分解)・合わせ (※打ち太刀二撃目は小手。※合気剣秘伝目録には小手と記載がある為。 映像には、真っ直ぐ振り降ろし腕を狙うものと、横面を狙うものあり。)<對比地氏曰く、組太刀の時は小手ではなく頭を狙った>
  変化1 打ち太刀の小手に剣
  変化2 手刀で入り投げ
  変化3 一撃の変化 打ち太刀の左に入り首元を剣で斬る
 二の組太刀型(分解)・合わせ  打ち太刀の二と四撃目は胸を狙う(動画有)(對比地氏談)
  変化1 打ち太刀の小手に剣
  変化2 胸に突き
  変化3 打ち太刀の首に剣先をつける/小手返し、白羽取り可
 三の組太刀型(分解)・合わせ  (※受け太刀の一撃目は、相手の剣を払って打ち込む、又は、相手の気持ちを探る)
  変化1 腰投げ
  変化2 打ち太刀の左に入り剣を立てて左手を剣の峰に添える
 四の組太刀型(分解)・合わせ
  変化1 小手に剣又は肘に剣、
  変化2 太刀取り
  変化2 打ち太刀の左側に入り面を打つ
  変化4 突きに対して六教
 五の組太刀型(分解)・合わせ  受け太刀の鍔迫り合い後の動作は、守弘先生は相手の斜め後ろまで大きく入っていた(對比氏談)
  変化1 打ち太刀の腹を斬る
  変化2 打ち太刀の横腹を刺す
  変化3 腰投げのような入り
  変化4 太刀取り
※表現 攻撃する側を打ち太刀、攻撃を受ける側を受け太刀


気結びの太刀(音無の剣)(場を清め邪気を払う剣)


杖素振り 二十本

三十一杖素振り

突きの合わせ(早返し)

突きの合わせ(払い)

六の杖〜一の杖

六の杖合わせ

三十一の組杖

十三の杖素振り

十三の杖合わせ

組杖 十本
 一の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 二の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 三の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 四の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 五の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 六の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 七の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 八の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 九の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 十の組杖型(分解、合わせ)・変化(投げ)
※表現 攻撃する側を打ち手(他 敵・相手・攻撃)、攻撃を受ける側を受け手

剣対杖 七本
 一の型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 二の型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 三の型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 四の型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 五の型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 六の型(分解、合わせ)・変化(投げ)
 七の型(分解、合わせ)・変化(投げ)


合氣手裏剣(棒手裏剣、根岸流) 型の種類 卍の型


武器取り
短刀取り
1.横面(五教)
2.尽き(五教)
3.突き(六教)(二種)
4.突き(肘固め)(七教)
5.突き(小手返し)
6.突き(肘極め)(肩に担ぎ極める)
7.突き(叩き落とし三教)
8.突き(首を取り腕折)(荒業の部類)
9.腹を切ってくる〜返して突いてくる(六教)
10.前から胸を掴み、短刀を喉元を向ける(小手返し)
11.後ろから短刀を腰に向けられる(小手返し)

太刀取り
杖取り
槍取り
銃剣取り


当身
 合氣道はその99%が当身である
 相手を崩さずに技を掛けるのは非常に困難、当身は相手の攻撃を和らげ、自分を有利な立場にもっていく手段
 当身の必要性を強調した開祖の合氣道に対する基本的な考え方を見逃さない
 当身は基本技にも高度の技にも必要であり、稽古から除外されてはならない 
1.手刀
  横面打ちを止める場合、手刀は頸動脈へ当身
2.拳(鬼拳含)(顔面、鳩尾、顎、横腹)
3.裏拳
4.蹴
5.肘
6.足を踏む(袖口取り呼吸投げや、裏技時など)(失礼の言葉を添える)
※4・5は四方投げの入りで、顔へ拳、膝へ足蹴、脇腹へ肘の順より抽出
※4には、正面打ちから背面に回り、後衿をもって足で膝を折る引き倒しがある
※守弘先生の拳は意識せず握るだけで、自然と鬼拳になる

半身半立
 正面打ち(入り身、回転投げ、呼吸投げ)  
 横面打ち(入り身、四方投げ、腰投げ、呼吸投げ)
 突き・胸取り気の流れ(入り身、小手返し、回転投げ、呼吸投げ)
 片手取り・両手取り(入り身、四方投げ表が基本、四方投げ裏は応用、片足払い、隅落とし、腰投げ、呼吸投げ)
  両手取り四方投げ表は、立ち上がり後、足を振り子のように出す。裏は爪先を合わせ立ち上がり180度転回し剣をふりおろすように投げる。
 両肩取り(膝挫き)
 後ろ両肩取り四方投げ△審議
 後ろ両手取り呼吸投げ
 後ろ両肩取り首投げ
  後ろに転がり、相手の頭を両足で掴み前へ投げる(翁先生映像有)
 両手取り足取り△審議

準備体操
 舟漕ぎ(掛け声エイホー)
 二教ストレッチ 両手を地面につけ、二教を利かせて腕立て
 ストレッチ 両手取り〜相手を背中に乗せて、背を伸ばすストレッチ
 終末動作 両手取り〜腕を伸ばし相手の背を反らすストレッチ


岩間の話

 守弘先生の稽古は、次々に技が進み、三人回りだと三人目が回ってこない場合もあった。そして、何度忘れても良いとも仰っていた。通常の稽古では先生の口数は少なく、稽古に集中させているように感じられる。時折、技のポイントを話されていた。問題のある技を見つけると「パン」と柏手が鳴り、場は静まり皆端に座る。問題技のある者が中央に呼び出され、皆にもわかるように説明された。問題技者が緊張の故、ごじゃっぺを繰り返すと、「そんじゃだいだ」といって問題の手を軽く叩き、正気を取り戻させ、さらにゆっくりと説明されていた。それでも同じ間違えを繰り返す者は、いつの日かわかるだろうと長期的な成長を見据えられていたようだ。

 手術前の守弘先生は、腰が低く落ちていた(對比地氏談)

 稽古中の質問や筆記、写真やビデオ撮影は認められず、目を皿のようにして覚えること。

 ある大学生が合宿に来ていた時、「学生の内は一の素振りで十分だ」と仰っていた。一の素振りを繰り返し鍛錬することは、重要であると云える(素振り三年、打ち太刀十年)。

 翁先生の話を時々された、「技を盗まれる」と翁先生が合氣道の技に対して公に見せたくない思いがあった。

 技は正確に行うこと。技は一分一厘狂っても技にはならない。そして、体格にあった合気道があることも容認していました。目付で自分で氣づいていくことも大事。

 筆者は、先輩達に初段の技を教えてもらおうとしたが、なかなか教えてもらえず初段審査はそれは醜いものだった。

 岩間は紹介状が無いと入門できなかった。

 岩間のトイレは、汲み取りだった。虫が湧く時期は、殺虫剤を噴射し、虫が上がってこないうちに素早く用を足した。

 守弘先生はクリスマスの日に、サンタの恰好をして食堂に来た。

 守弘先生は、水を大切にすることを厳しく指導されていた。手を洗いながらもバケツを置いて水を溜めたりする。水を出しっぱなしで歯を磨いたりしない。

 守弘先生は、ベテランの人達にはあまり注意しなかった。

 道場にはオバケが出るらしい。

 道場と翁先生の部屋をつなぐ通路がある。誰も入ってはいけない。

 道場更衣室のシャワーはホース水だった。

 黒帯を忘れた時、スラックスのベルトで稽古した。

 稽古後、掃き掃除と水拭き掃除があったが、冬は水が冷たいので掃き掃除が人気があった。

 敷居を踏まず、畳は畳の目に沿って水拭きした。

 剣や杖を跨いではいけない。自分の命を預ける武士の魂を、跨いではいけない。安全面(踏む危険性)と精神面(武士道)の両面から生じた作法。

 食堂には、合気道のビデオとHなビデオがあった。

 合氣道の技は最短最速が基本。

 合氣道は畳二枚あればできる。

 守弘先生は時に武産合氣を“さむはら”と詠んだ(故高藻氏談)

 守弘先生の稽古ズボンにはチャックが付いていた。

 守弘先生は自分のことを、ボクと云っていた。

 守弘先生は花粉症のような症状だったが、認めていなかった。

 晩年、守弘先生は水筒を持って道場に来る。道場隅に腰掛け、武道の本などに目を通されることもあった。

 内弟子は、稽古前に歯を磨いていた。

 内弟子は、ライターと小型ツールナイフを常備する。

 内弟子は、食事当番がある。

  道場神棚下には、宝箱があった。内弟子が勝手に開けて掃除して怒られていた。〇〇が入っていた。

 道場の神棚掃除の時、絶対に開けてはいけない玉手箱を、内弟子の外国人が知らずに明けて掃除していた。〇〇が入っていた。

 ある日の夜稽古は、道場の電気は使わず、ローソクの明かりの稽古でした。暗くて、周囲がわからず、ぶつかって怪我をしないように皆慎重に稽古をした。目が慣れると意外と見えるもので、誰一人怪我をせず稽古ができました。途中から先生は電気をつけました。先生は、「懐かしい。昔はよくローソクでも稽古をしたもんだ」と嬉しそうに話をされていた。

 ある日道場の電話が鳴った。「はい、茨城道場です」先生から辰巳屋への買い出しだが、場所がわからない私に、「おめーじゃだいだ」と電話は切られた。道場近辺の勉強もしていないと、師匠に買い物一つ任されない。百もしない自分の未熟さを痛感した。

 袴の下から道着のズボンが見えている人がいた時、「パン」と守弘先生の柏手が鳴り、ズロースがでていてみっともないと話されていた。合氣道家はきちんとした姿をしなさいという教え。腰が落ちるようになると袴が畳について踏んだりするので短めにした時、はみ出たズボンを先輩に指摘され、すぐハサミで剥ぎってもらったことを思い出した。

 月謝を渡しに先生宅に行くと、庭の植栽が手入れされ、玄関脇の机はいつもきちんと整理されている。先生はいつもきちんとされていた。

 守弘先生の好物は、サントリーレッド(基本何でも飲む)、一寿司の鉄火巻きと辛い物でした。ある日、畑にある青々した獅子唐辛子を直にかじって「これでいっぱいやっぺ」と仰っていた。お墓参りはいつもレッドで酌み交わし報告します。先生、みんな教えを守って合氣道を頑張っています。今度は辛い物も持っていきますね。

 私が守弘先生に直接指導された唯一の口伝。「その技は確かに効くが、そうではない。表はいつまでも表、裏はいつまでも裏」。。。先生の指導は茨城弁訛りが強かったが、それが何故か温かく皆指導されて喜んでいた。。。


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